【奈良】本物の田舎 奥大和 下北山村で「きなりの暮らし」を

はじめまして。
下北山村地域おこし協力隊の小野晴美と申します。
2017年4月から下北山村に移住し、夫婦そろって地域おこし協力隊として活動をしています。
任期1年目の現在は、協力隊OB・OGが中心になって立ち上げた村の小さなNPOに所属し、過疎化・高齢化に伴って必要となってきた村民さんの生活支援や、地域特産品の継承・開発、農業振興、移住相談の対応などに取り組んでいます。

このページでは、私たちが下北山村に移住するにあたった経緯とその背景について書いています。
客観的な村の情報は調べればいくらでも出てくると思うので、ここではめちゃめちゃ主観的に。
なんで移住か。なんで下北山村か。
その辺について書いてみたいと思います。

―ソーシャルワーカーから、自由きままな旅人へ。

まずは、自己紹介を。
大阪は南河内出身。
大学卒業後、ソーシャルワーカー(精神保健福祉士)として約5年間、地元大阪で病院勤務。
精神的な疾病や障害を抱える方や、そのご家族の生活支援や社会復帰に向けての支援を行っていました。

ソーシャルワーカーとしてクライエントさんへの関わりを続けていく中で、どうしてもぶち当たるのが「生きづらい現代社会」という現実。
次から次へとひっきりなしに病院に駆け込んでくる人々と向き合いながら、「こんなに心病む人が量産される社会ってなんかおかしい」、常にそんな違和感を持っていました。

「自分らしく」とか、「ありのままに」とかよく聞くフレーズに、現実味も説得力も持たせることができず、そんな言葉をクライエントさんに向けることができない自分。

もっと自由度が高く多様性があるなかで、誰もがのびのび生きられたらいいのに。
いつも漠然と、そんなことばかり考えていました。

「自分らしく生きる」ってどういうこと???
「自己実現」って一体なに???
・・・かくいう私は、自分らしく生きているんだろうか???

ソーシャルワーカーとしての日々の問題意識から、一個人としての自分自身の生き方や暮らし方を見直すことになった私。
仕事は好きでしたが、「仕事よりも、やりたいことはもっとある」という心の声と、「多様性を求めるなら、まずは自分から」という想いも相まって、もっと自由に、もっと気楽に生きていこうと思い当たります。

まずは、かねてからの夢であった「新婚旅行で世界一周」を実現するべく、結婚後、夫婦そろって仕事を辞めて、世界を巡る旅をはじめたのでした。

 

―非日常が日常に。旅暮らしの中で気づいた、シンプルな幸せと自分らしさ。

2014年春からはじまったわたしたちの旅は、808日間、約2年3ヵ月をかけて29か国を訪れる長い旅となりました。

旅のコンセプトは、「人と地球に優しいステキな暮らしを訪ねて学ぶ」。
自由きままに世界が見たくて無計画に出た旅でしたが、せっかくなら実り多き時間を!と思い至り、上記のようなテーマを設定しました。

テーマを設定したことによって定まった滞在型の旅のスタイル。
足早に観光地を廻るのではなく、ホームステイやファームステイを通して現地の人々と生活を共にし、 暮らすように続ける旅。
訪れる国の先住民やオルタナティブな暮らしを実践する同世代の家族、オーガニックファームやエコビレッジなどを中心にホストを探し、彼らの暮らしの中から多くのことを学ばせてもらいました。

長い旅を通して気付いたのは、限られた人生の一日一日を大切に生きていく上でとっても大切な基本。
それは、置かれた環境に感謝しながら、自分が心からやりたいと思うことをやったらいいんだ、ということ。
そして、私はもう充分に幸せなんだ、
ということ。

夫と手をつないで、思いのままにぶらりとお散歩する時間。
採りたてフレッシュな食材で作る手作り料理が並ぶ食卓。
畑でたっぷり汗を流したあとの、一杯のビール。
昨日はじめてあった面々と、家族のように笑い合っている今日。


メキシコの山奥で家族のように一緒に暮らした仲間


何気ない毎日に、シンプルな幸せがたくさん散らばっていて、心穏やかに満たされる日々。

着飾らず、取り繕わず。本能の赴くままに、素のままに。

そうして過ごす非日常の旅の毎日が、いつの間にか旅暮らしという日常となっていて、「わたしの幸せってこういうことか」とストンと腹におちるものがありました。

「自分らしく生きる」。
旅の間、何ものにも縛られず、自由奔放に生きるたくさんの人と出逢い、そんな彼らと暮らしを共にすることで、身をもって教えてもらった気がします。


エコビレッジ滞在でお世話になったわたしたちの理想の家族@ワイへキ島、NZ

 


0からオーガニックファームを立ち上げたカップルのもとで1か月間ファームステイ@コスタリカ、サンホセ近郊


毎日が本気のトレッキング。「懐かしい未来」を体験し人生観が変わった@ラダック、インド

日本に帰ってしたいこと。
それは、旅で学んだ「人と地球に優しいステキ暮らし」のエッセンスを散りばめた、自分たちの思い描く暮らしをかたちにすること。

人間にとっても、自然にとっても、無理や矛盾が少ない暮らし。

世界を巡る旅の中で当たり前の日常となっていたあの毎日を、ここ日本で自分たちの足元から坦々と紡いでいく。
そして、旅の間に目の当たりにした、「こんな生き方もあるんだ」「こんな暮らし方もできるんだ」、そんな選択肢を示せる場をつくる。

どこか「生きづらい」と感じていた現代社会。
でも、それは自分の心もち次第で、がらりと見え方が変わる。
旅から帰国した私には、この社会が、何でもありの面白い世界に見えてきたのでした。

やりたいことははっきりしている。
最高のパートナーが隣にいる。
あとは、より良き未来に向かって、実践あるのみ。

 

この村を選んで移住したきっかけ

―自然の流れのままに、辿り着いたのは奥大和の山村の地。

旅から帰国して、私の身体はとにかく自然を求めていました。
帰国後に歩いた都会のコンクリートジャングルはどうも息苦しくて、人と車で溢れる雑踏では眩暈を感じるようになった身体。
顕著すぎる身体反応とそれに伴う心の状態が、都会では暮らせないことを物語っていました。

暮らしたい地の条件は明確。
第一に、人が生きていくために必要な、綺麗な水と空気、それを育む豊かな自然が残っているところ。


村を流れる清流。そこに身をおくだけで、自然と心が穏やかになる。

 

暮らしのフィールドを求めて、私たちは帰国後も日本各地をゆるりと巡る旅暮らしを継続しました。
夫の地元である鎌倉で拠点作りをしながら、友人知人が移住した地や、気になるコミュニティを訪ね廻り、ゆるりと移住先を探すこと約半年。
流れのなかで辿り着いたのが、名前も場所も知らなかった地、ここ奥大和の山村、下北山村でした。

紀伊半島の山深い山村に導かれました。

 

―すべてはご縁とタイミング。旅の感覚のまま、「移住」へ

日本全国に数多ある自然豊かな田舎の中から、ここ下北山村を選んで移住を決めた理由。
それは、ご縁とタイミング。
これに尽きます。

きっかけは「自伐型林業」。
夫が興味を持っていた「自伐型林業」に村ぐるみで取り組んでいたこと。
夫婦そろって希望の仕事ができる地域おこし協力隊の活動募集があったこと。
100年先の村の未来を思い描く、まだ見ぬ老紳士に共鳴したこと。

ありがたいことに、色々なご縁とタイミングに恵まれて、ここ下北山村への移住が決まっていきました。


初心者からはじめられる自伐型林業。重機の免許をとって、まずは作業道づくりに取り組む。

    村の在来種で絶滅危惧種でもある高きび栽培の継承に取り組む。


移住といえば、とても大きな決断で、簡単には決められないことのように思います。

だけど、私たちにとっての移住は、旅の間の感覚と同じもので、「ちょっと行ってみよう」という、良い意味でとても軽やかなものでした。
旅の中でひょんなことから次の目的地が決まるように、導かれるように行き着いた地、下北山村。
そんな移住の在り方が、わたしたちにはちょうど合っていたようです。

 

―大らかでオープン、よそ者ウェルカムな村民性。

移住するまでに何度か村を訪問して、村の方々ともお話をさせてもらいました。
そこで感じた、この村の”村民性”も、移住を決める上で大きなポイントの一つとなりました。

下北山村は都市部から遠い、奥の奥の山深い地に位置する山村なのですが、海なし県の奈良にあって一番海に近いひらけた環境も関係してか、また、熊野や尾鷲という近隣地域との交流が盛んなせいか、村の方はとてもオープン。

移住にあたって役場の方々にもたくさんお世話になったのですが、 行政として自伐型林業など新しい取り組みに挑戦していく積極的な姿勢と、地域資源を活かしながらこれから村を盛り上げていきたいという前向きな姿勢にも共感できる部分がありました。
役場職員もみな村に住む村民さんであり、「自分たちの村」として本気で取り組んでいこうとする一面をみてとれた気がします。

移住すれば共に生きていくことになる、この村に暮らす“人”。
その方々が醸し出す“村民性”。
感覚的に感じるその‟”村民性”が、自分たちの中にすっと入ってくるかどうかって、実はとっても大事だと思うんです。

現在住ませてもらっている一軒家。晴れた日には、山々を臨む玄関先で一斉にお布団を干す。

 

―直観に正直に、ただそれだけ。

上に挙げた以外に、条件的に良かったことを言えば、

1.私の地元大阪と夫の地元鎌倉の間に位置すること。
2.山奥にありながら海にも近い環境であること。
3.ユネスコエコパーク・吉野熊野国立公園に認定されている地域で、自然が守られていること。
4.奈良・三重・和歌山の三県の境目、吉野(山)と熊野(海)の境目で、文化的に面白い地域であること。

・・・などなどが挙げられます。
だけど、これって移住を決めるにあたっての絶対条件ではないんですね。

結局のところ、自分たちのフィーリング。
全然知らない未知の村に感じた可能性を信じ、自分たちの直観にただただ正直に。
つまり、そういうことなんです。

 

下北山村ってどんな場所?

―紀伊山地の雄大な自然に抱かれたきなりの郷

下北山村は奈良県の端っこ、三重県熊野市と和歌山県北山村に隣する人口900人に満たない小さな山村です。

面積は約133㎢、琵琶湖の約1/5の広さ。
四方を山に囲まれ、西には世界遺産、大峰奥駆道を擁する大峰山脈、東には大台ケ原山地がのびています。

村の約半分は日本有数の景勝地として「吉野熊野国立公園」、「ユネスコエコパーク」に指定されていて、「人と自然が共生して生きる村」です。
日本屈指の多雨地域でもあり、豊潤で清らかな水が豊かな自然を育んでくれます。

下北山村を形容する言葉に「きなり」があります。
「きなり」とは、日本独自の価値観を現す言葉で、まざりけがなく純粋であるという意味です。
下北山村は、自然を敬い、四季に寄り添い、伝統を受け継ぐ日本人ならではの「きなり」の暮らしの営みが、今なお静かに息づいている村です。

“森と生きる 森に遊ぶ 森で育む
 きなりの郷 下北山村 下北山村地方創生総合戦略
村が立てているこれからの村づくりの方針です。ご参考までに。


 手植え、手狩り、天日干しの無農薬・無肥料栽培のお米作りに早速チャレンジ。

 

―足るを知る。不便が生きる力になる「本物の田舎」。

下北山村はどこから来るにも遠いです。
大阪方面の最寄駅(近鉄大和上市駅)まで車で約2時間。
三重方面の最寄り駅(JR熊野市駅)まで車で40分。
公共交通機関で村まで来ると、都市部のどこから来るにも半日~1日はかかります。

やっとの思いで到着するこの村は、秘境感が増すのでしょうか。
はじめて村を訪れる人は、揃って「いやー、スゴイところやなぁ~」と口にされます。
山々を越えて辿り着くこの村は、本物の田舎。

夏には、涼を求めて多くの観光客が訪れます。

本物の田舎にふさわしく、この村には都市的なものがありません。
村内にはスーパーやホームセンター、ファーストフードやチェーンの飲食店、24時間営業のコンビニも1件もありません。

都市部の感覚から行くと、手軽に買い物や外食ができず不便・・・なのかもしれません。
だけど、だからこそ、「この村って良いところ」ってわたしは思うんです。
過剰なものが何もない。
足るを知る、を地でいく村。

そして、ここには、今なお残っている昔ながらの山村暮らしの知恵や技がたくさんあります。
ここにいると、不便が不便にならない、「本物の田舎」が持つ生きる力を感じられるのです。

それでも、村の古老たちは「おかげさまで、今はずいぶん便利になった。」「便利すぎるくらいや」と口を揃えておっしゃいます。
それは便利さをありがたく享受する言葉であると同時に、どこか懐かしさや郷愁を感じさせる言葉のようにも感じられます。
その言葉の裏にあるものが何なのか。
私たちの心は、なぜかぴくりと反応します。

私たちが村を出て買い物に行くのは、月に1,2度。
ネット通販という現代文明の力にもあやかりながら、便利さと不便さの間でバランスを取りつつ、日々「田舎の力」を学ばせてもらっています。
もともと消費に頼りすぎない暮らしを望んでいたので、これくらいが丁度いいな、と感じています。

 

―歴史と文化が生まれる、吉野と熊野の境目の村。

下北山村は奈良県吉野郡に属していますが、生活は熊野文化圏によるところが多いです。
買い物に出るのは熊野や尾鷲。病院通いもしかり。
山奥の村ですが、熊野の海に近いので美味しい海の幸も簡単に手に入ります。
熊野の海からくるサンマを使った「サンマ寿司」や生マグロを塩で占めた「しおしび」は、山奥にあって海産物が手に入るこの村ならではの郷土食。
わたしたちも、先日海釣りデビューを果たしました!

  

村から熊野や尾鷲の漁港まで小一時間。鯵とイシダイをゲット!!村には海釣りが趣味という方がたくさん。


協力隊の活動でも、奈良・吉野にとどまらず、熊野や尾鷲方面との方々とのつながりもできてきました。
吉野と熊野のエッジ、山と海の文化を受ける下北山村。
ここ辺境の地、下北山から、面白いことを生み出していきたいものです。

 

下北山村の魅力って?

―食の自給率と質の良さが半端ない!

ここに移住して一番喜んでいることは、食の村内自給率が半端なく高いこと。
下北山村では専業で農業を営んでいる人はいませんが、自給的に田畑仕事をしている人は多く、それ故、新鮮で美味しい農作物がたくさんあります。

ポイントは自家栽培、自家消費の「自給的農」というところ。
自分たちで食べるものを、自分たちの手で作っているので、安心・安全。
オーガニックや無農薬を謳わなくても、それが当然といった感じです。

畑の他に、山や川からの恵みも豊富。
四季それぞれの自然の恵みと、村民の手によって育まれる食の豊かさには本当に驚かされます。

こちらに来てから習った山菜のあく抜き、山菜の種類も豊富。


わたしたちも移住後すぐに家庭菜園を始めていますが、1年目の今は収量も少なく自給率はまだまだ。

でも、村内循環を目的に営まれている土曜朝市(後述)で、新鮮な野菜が驚くほどお手軽価格で手に入るし、 ご近所さんからのお裾分けで食べきれないほどのお野菜をいただくことも。
食が満たされていることが、日々の幸せにダイレクトにつながっています。

ちなみに、村民さんが作る村内野菜や村内米、ジビエ肉を学校給食にも出荷していて、地産地消、郷土教育にも一役かっています。
また、山村ならではの、郷土食・保存食作りの知恵は村の宝。
移住してから、伝統的な釜炒り茶や梅干し作り、お漬物やこんにゃく作りなど、村のおばあちゃんの“きなりの技”を伝授してもらう日々です。

  

新芽だけを摘んで作る、伝統的な釜炒り茶。ホストしていた仏人カップルと一緒に、お隣のおばあちゃんから手習い。

 

―こじんまりとした村のコンパクトさが心地いい

村には川に沿って8つの集落があり、このすべての集落が国道と県道で結ばれています。
村を一周するのに車でおよそ30分。
あっちに行くにも、こっちに行くにも道がくるっと通っているのでとても便利です。
そんなこじんまりとした村内でも、集落ごとに少しずつカラーが違い、気候までも微妙に違うんです。
桜の開花時期も、茶摘みの時期も、稲刈りの時期や降雨量も集落によって少しずつ差があって面白いです。


―山岳信仰の原点、世界遺産の大峰奥駆道は神々が鎮まる聖なる地。

鬼の子孫が残る“前鬼の里”は世界中でここだけの超パワースポット。
奈良県の吉野と和歌山県の熊野三山を結ぶ全長100㎞以上の大峰奥駆道をたどる修験道は世界遺産に登録されています。
深い森と清らかな川が形づくる自然豊かな地は、太古から神々の鎮まる地とされてきました。

仏教が伝来すると、この地は現世の浄土として、また山岳信仰の地として多くの人が訪れ、神々と仏が融合する日本独特の信仰の原点となりました。
今から1300年前に役行者によって始められた大峯奥駆修行。
その道中の中でもひときわディープな「霊場の奥座敷」と呼ばれるのが下北山村村内にある、「前鬼」から「釈迦ヶ岳」にかけてのエリアです。
前鬼は、役行者の弟子であった前鬼・後鬼夫婦の子孫が住み継ぎ、修験者をお世話してきた歴史深い地です。
現在も鬼の子孫である、61代目当主の後鬼助義行さんが宿坊を守っておられます。

宿坊のある前鬼の里には、前鬼と後鬼のお墓も。

 

―きなりの心に宿る、可能性に満ちた村。


はじめにも書きましたが、この村の村民さんは本当に穏やかで 飾らない人柄の方が多いです。

顔を合わせると、にまっと笑顔を見せてくれ、合言葉のように「いつもおおきにの~(ありがとう)」と声をかけてくれる。
村の魅力って色々あるけれど、村民さんたちの温かく素朴なところ、村を思うきなりの心が一番の魅力なのではと感じます。

私たちは、いわゆる「自給自足」の生活がしたくてここに来たわけではありません。
自分たちだけで完結できる自給ってないと思っていて、 村や集落、小さなコミュニティ単位で小さく賄う、「コミュニティ内自給」が理想だと感じています。

食や住、エネルギーだけに限らず、仕事も、遊びも、経済も福祉も。
小さく無理なく、少しずつ。

この村には(山村地域に共通していえることかと思いますが)昔ながらの助け合い・分かち合いの暮らし、が今でも残っています。
今で言う
「シェアリングエコノミー」が自発的に回っているみたいなもの。
世界を旅する中でみてきた、理想的なエコビレッジのかたち。わたしたちが目指したい暮らしの在り方。
それにつながる要素が、この村にはたくさんあると感じています。

また、村にはたくさんの秘められた資源が眠っています。
それらの資源の一つでもある、遊休施設を活用してはじまったコワーキングスペース下北山村BIYORIhttp://shimokitayama-biyori.jp/、や村有林をフィールドにはじまった自伐型林業など、企業や移住者とも協働しながら、様々な取り組みがはじまっています。

きなりの心が大切にされるこの村だからこそできる、きなりの村づくり。
これからの展開にワクワクです。



 木がふんだんに使われたコワーキングスペース下北山BIYORI サテライトオフィスとしての利用も可能

 

暮らしてみてわかった、村のマイナスポイント

―獣害が多い。

猿、鹿、猪がとっても多いです。
いつでも、どこでも、動物たちと村民さんによる農作物の争奪戦が繰り広げられています。
車道を走っていても、猿や鹿は人より多く見かけるほど。
田畑耕作は獣害対策なしにできるものではなく、電柵や金網が景観上マイナスポイントになっていることは避けられない事実・・・。
自給的生活を志す上で、動物との平和的共存は喫緊の課題でもあります。

家のすぐそばまで降りてくる、天然記念物!の二ホンカモシカ。

 

―大災害時には、陸の孤島になる可能性も。

日本有数の多雨地域とあって、大雨のときは 村内の県道・国道に雨量規制がかかります。
スクールバスが運行できず学校が休校になることも度々。
村内での災害被害はあまり聞かないのですが、近隣町村で大規模な土砂災害等が起きると、村につながる道がふさがってしまい村は陸の孤島状態になる可能性もなくはない。
万が一の緊急救急時も医療機関までのアクセスが気になるところではあります。

 

―産業が少ない。

林業で成り立っていたこの村は、今では基幹産業が無く仕事先が少ないのが難点といえば難点。
個人経営の商店や飲食店も数えるほどしかありません。
あまりの寂しさに、未経験の私たちでも、カフェ経営にチャレンジしてみようかなーと思っちゃうくらいです。

既存の産業が少ないので、就職先ありきで移住を検討する人には厳しいかもしれませんが、フロンティア精神をもって仕事を産み出すことに挑戦したい人には面白いところだと思います(村独自の起業支援制度もあり)。
必要とされるのは、新たな産業、生業を生み出していくアイデアとエネルギーだと感じます。

 

先輩移住者はどんな仕事をしてますか?

先輩移住者の職としてぱっと思いつくのが、木工家具職人、ダム湖でレンタルボート・ガイド業、イラストレーター、自動車整備士、公務員・・・など。
前述の通り、現在村は新しい林業体系の一つである自伐型林業に取り組んでいます。
自伐型林業とは、自立自営で行っていく、小規模環境保全型の林業のことで、観光業、農業、自営業などとの複業向きだといわれています。
現在、自伐型林業に取り組んでいるのは地域おこし協力隊として入っている移住者で、今後どのような仕事と結び付けていくか、その行く末が注目されています。

 

下北山村の空き家情報

奈良空き家コンシェルジュに空き家情報が掲載されていますhttp://www.akiyaconcierge.com/area/simokitayama/
私も所属している、地元住民と移住者、行政職によって成り立っている「下北山村地域受入協議会」という組織では、空き家物件の紹介や現地案内などをしています。

もちろん物件によって家賃は違ってきますが、相場は一戸建てで数千円~3万円台。
畑付き物件が多いです。
村の制度に住宅家賃助成もあるので、都会に比べると破格の値段で一軒家を借りることができます。

 

ぜひ寄ってほしい、お店や場所

―古代からの原生林と前鬼の里エリア

前述の世界遺産大峯奥駆道が走る原生林の森と、前鬼の里、前鬼川。
トレッキングだけでなく、沢登りや渓流釣りでも人気のエリアです。
http://www.vill.shimokitayama.nara.jp/shimokita/sekaiisan1.html

古代からの原生林。神々が宿る苔生す森。

罪や穢れを取る禊の場

前鬼の里から先は、空気が変わるのを感じるくらい特別な雰囲気のある地。
いつ訪れても、それぞれの季節の良さを全身に感じ、心身ともに本当にリラックスできるので、わたしの大好きなスポットです。
原生林から流れ出す前鬼川の「前鬼ブルー」の美しさは言葉にできないほど。
川辺に座ってぼーっとすると、時間が過ぎるのを忘れてしまいます。


―どこよりも先進的で良心的。下北山村スポーツ公園キャンプ場。

人気過ぎて、夏場は予約が取れないと噂の下北山村スポーツ公園とキャンプ場。https://www.kinarinosato.net/
日本最大のキャンプ場予約サイト“なっぷ”で、2017年の予約件数が西日本1位になりました。

このスポーツ公園は約30年前より小水力発電による電力自給をしていて、敷地内の電力を自己発電でまかなっているエコ施設なんです。

当時、小水力発電所設置のため、コンサルティングで入っていたのは知る人ぞ知る津端修一さん。

ドキュメンタリー映画「人生フルーツ」の津端さんです。)
以前から津端さんご夫婦の隠れファンの私は、移住後にこの事実を知った時は妙に嬉しくて「やっぱりこの村、ステキ!」と思ったのでした。

夏場は予約がとれないキャンプ場ですが、シーズンオフの冬場は半額値で泊まれちゃいます。
冬の空に瞬く満点の星空は最高。
キャンプファイヤーをしながら、温かい食事とお酒を楽しむ冬のキャンプは大人の楽しみでもあります。
冬キャンプブームがここ下北山村から湧いてくるのでは・・・と思ったり。

春には、わざわざ観に来る価値あり!の見事な桜並木がお出迎え。
きなりの湯という美人の湯で有名な温泉もあるので、キャンプやお散歩の合間にまったりしてください。

 

―NPO法人サポートきなりが運営する「土曜朝市」

土曜日の朝のみ限定で開かれる朝市です。
旬の地元産採れたて野菜がずらりと並びます。
野菜だけではなく、栃餅やサンマ寿司などの地元の加工品も人気商品。
人気過ぎて、9:30の開店前には人だかりができて、開店と同時にひしめく店内。
ものの10分ほどでほとんどの商品が売り切れてしまうほどの盛況ぶりです。

 

村内で地産の野菜が循環し、小さな経済が成り立つ仕組みを作ったのは協力隊OB・OGの方々です。
それを引き継ぎ、現在私も活動の一つとして取り組んでいます。

毎週朝市に出かけて行って、みんなでおしゃべりをするのが楽しみという方もいて、村民さんの交流の場にもなっている土曜朝市。
場所はスポーツ公園入口、駐車場前。
土曜日に村に来られる際は、ぜひ覗いてみてください。

 

ぶっちゃけ、ほかの町の方がよかったなと思うことは?

今のところありません。
どの地域も、それぞれ素晴らしいところ、良いところはあると思いますが、比べてばかりいても仕方ないってのが本音のところ。
「完璧な理想通りの移住先」って無いと思ってます。
いかに自分たちの理想に近づけられるか。
それは移住後の自分たち次第で、そこに面白みがあるのではと思ったりします。

 

移住を検討する人へ。

ネット上での情報や、移住パンフレットを見ているばかりでは移住先は見つかりません。
気になる地域があれば、直接足を運んでみて、その地の空気を感じること。
そこに暮らす人と出会い、言葉を交わし、関わりを持つこと。
それなしに、移住検討は始まりません。

わたしは、たぶん、やみくもに移住者を募りたいわけではありません。
ただ、この村の自然や、その自然と共にある暮らし、そしてこの村に住む人々が生み出す仕事・・・
それらに興味を持ったり、価値を感じてくれる人がいたら嬉しいな、と思います。
そんな人たちには、結果的に、「移住」という選択肢も出てくるのかな、と思ったりもします。

下北山村には、今、じわじわと面白い人が集まってきています。
やっぱり、人が人を呼ぶんだな、って実感しています。

くすぶり始めたこれからの下北山村の未来 × あなたの未来。
ちょっと興味あるかもという方、まずは一度村に足を運んでみてください。


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世界一周ハネムーンから、移住に至るまで。
移住後の日常のことなど気まぐれ更新でブログ書いてます。
ブログ オノ暮らしhttp://onokurashi.blog.jp/
Facebookページはこちら、オノ暮らしhttps://www.facebook.com/オノ暮らし-1476956465935953/

 

協力隊の活動について

活動はミッション型だけど自由裁量ありの半フリー型

下北山村では、現在5人の協力隊員が活動しています。
自伐型林業・・・2人
観光分野・・・1人
コワーキングスペース下北山村BIYORIの管理運営・・・1人
NPO法人サポートきなりにて住民の生活支援、農業振興、移住相談対応など・・・1人(私)

どこの所属でも、「これだけはしっかりやってね」という業務があって、それに支障がない範囲でやりたいことをやらせてもらえます。
ミッション型の仕事をこなしながら、新規事業を提案し形にしたり、個人の定住・生業創出のために勉強・準備をしたりという感じ。

わたしたちは定住を見据えて協力隊になっているので、任期終了後のプランについてもよく相談をさせてもらっています。
目標は、自伐型林業を軸に、宿泊業、観光業、季節仕事などを組み合わせながら、自給的暮らしを成り立たたせること。
目下、民泊&セルフビルドのコミュニティカフェをはじめるべく計画中で、色々と動かせてもらっています。


給与や活動費、副業について

日給8,000円、福利厚生は準公務員に順じ雇用契約あり。
家賃と勤務時間内に利用する公用車が活動費から出て、副業可。
1年目はすでに立てられている予算範囲内での活動になりますが、次年度以降は役場担当者と相談の上、活動計画をたてて予算を組んでもらえます。

 

勤怠管理

出勤簿に出勤日と勤務時間を自分で記入。
長期休みを取りたい場合なんかは、席のある各担当部署と個別調整です。
自由度高いです。

 

下北山村の協力隊制度のいいところ

先輩協力隊の方々が実績を残してくれているので、行政からも地域住民からも協力隊に対する理解度、信頼度は高いです。
担当職員さんも柔軟性を持って対応してくださるのでありがたいです。
隊員の声を聞いて、やりたいことは積極的にさせてくれるし、できる限りのサポートをしてくれています。

また、役場担当部署以外に、それぞれの活動先に様々な機関(NPO法人、自伐型林業推進協会、雑誌ソトコトエヌ・アイ・プランニングなどの企業)が関わってくれているので、繋がりと広がりが生まれやすい環境です。

 

不満があれば

ないです。
活動内容の提案について「前例がないので・・・」と言われることは多いですが、だからダメとは言われたことはありません。
話し合える関係性ができていることで、大抵のことはクリアにしていけると感じています。

 

現在協力隊員募集中!!

現在、自伐型林業に取り組む協力隊員を募集しています。
一人ひとり個別対応で案内や説明をしているので、興味がある方は一度村にお越しください。
活動だけに限らず、村での生活環境なども含め、実際にみてもらうのが一番だと思います。

kii「奈良三重の県境で、自伐型林業家になる」 http://kii3.com/shimokitayama_forest/
地域おこし協力隊 JOIN「奈良県下北山村 自伐型林業協力隊募集」https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/search/detail/14082

 

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