もくじ
青森県弘前市を紹介する人
こんにちは!
吉田涼香(よしだすずか)と申します。
千葉県千葉市出身で、2016年4月から弘前市で地域おこし協力隊として活動しています。
移住コンシェルジュという肩書で相談対応や現地対応をし、移住者交流会を開催しています。
地域活動として、郷土料理の伝承活動をしている女性グループに所属し、料理や漬物などを教えてもらいながら、同世代向けに食事会を開催し、文化財を活用して、郷土料理を食べるイベントなどを開いたりしています。
移住したきっかけ
ターニングポイントは高校3年生
高校3年生の時にオープンキャンパスと同時開催していた学園祭に参加し、
そこで、青森県鰺ヶ沢町で農作業・自然体験活動を行うサークルと出会いました。
そのサークルは、鰺ヶ沢町でとれたお米と、キャンパスのある地元商店街とコラボして、
おにぎりを販売しており、そのおにぎりを食べたことで、サークルに入りたいと思い、大学へ入学します。
それまで小学校教諭を目指していたので、教育学部・学科のある大学に行こうと思っていたのですが、教育学部への進学をやめ、社会学を中心に様々な学問を広く学べる学科へ行くことに決めました。
こうして、おにぎりから、私と青森県の縁が始まったのです。
大学進学、就職、そして現在
ひょんなきっかけで、それまでの進路を変更し、大学へ入学。
大学では、社会学を中心に、文化人類学や民俗学、ジェンダー論など、様々な学問を広く学び、現代社会の課題について考える機会をたくさん得ました。
大学4年間は、勉強をしっかり行いつつ、サークルの活動で、月1回くらいのペースで鰺ヶ沢町に通います。
このサークルに入ったのが縁で、青森県庁の事業や青森県に関係するイベント、
首都圏で行われるマルシェのお手伝いなどに参加することが多くなり、多くの人と知り合うことができました。
就職時は、青森県で働くことを考えて公務員試験を受けましたが、全て筆記の段階で落ちたため、青森県で働くことを諦め、社会人1年目は地元千葉県に支社のある民間企業へ就職します。
外回り飛び込み営業という体育会系な会社に入りましたが、1年も経たずに辞職。
転職活動をしていましたが、青森県で地域に関わる仕事をしてみたい。チャレンジしてみたい。人生は1度きりしかないのだから…
と思っていたところに、弘前市の地域おこし協力隊の募集情報を発見。
それまでに首都圏で行われる移住イベントや、協力隊イベントに参加していました。
弘前市のブースにいって職員さんとお話をしたことがあったこと、
そして、学生時代に築いた人脈があること、それらが私の気持ちを強くさせ、
締め切り間近でしたが、弘前市へ応募。
今現在、こうして弘前市にいることが出来ています。
高校3年の私が、おにぎりを食べていなかったら、全然違う人生を歩んでいたと思います。
弘前市について
概要
青森県の南西部、津軽平野の南部に位置しており、総面積は524.12㎢。
平成18年に、旧弘前市、旧相馬村、旧岩木町が合併し、現在の弘前市となりました。
人口は約17万人。青森県内で3番目に人口の多い地域です。
東に奥羽山脈の八甲田連峰が、西には青森県最高峰の岩木山を有し、南には、秋田県にまたがり世界自然遺産に登録されている白神山地が連なって、三方を山々に囲まれています。
天気のいい時は、全ての山々が見えて、清々しい気持ちになります。
気候
夏は割と暑いなーという印象です。
毎日ではないですが、30℃を超える日もあります。
ですが、木陰に入れば、千葉では感じることのなかった心地よい風が吹いて、とても気持ちいいです。
冬は、寒いです。雪が降ります。最高気温がマイナスになることも…。
ですが、晴れた日の雪景色は本当にきれい!
誰も足を踏み入れていない畑や、野原はキラキラ光っていて、
こんなにきれいなものがあるのか!と感動します。
弘前市をはじめ、青森県は季節の移り変わりがはっきりしており、
四季折々の美しい自然を満喫することができます。
学園都市
弘前市は学園都市でもあります。
国立大学法人弘前大学や、他にも私立大学や専門学校があります。
県外から来ている学生が多いため、卒業後に弘前に残る若者が少ないことが、課題の1つになっています。
私は、好きなところに行って、好きなことをするのが一番いいと思っているので、
どんどん外に出て、色んなことを経験してほしいです!
もし戻ってきたいと思えば、戻ってくればいいと思います。
東京から弘前市までのアクセス
・新幹線+在来線で約4時間
・飛行機+バスで約3時間
・高速バス(昼便、夜行)で約10時間
学生の時は、毎回夜行バスで弘前まで来ていたので、
体力に自信のある方は、是非夜行バスで来てみてはいかがでしょうか?笑
弘前市の魅力
弘前市は、都会的な部分と田舎な部分が混在しています。
城下町であった街中には、江戸時代から続いている老舗や、国の重要文化財に指定されている建築物や、教会などの洋館、武家屋敷などがあります。
代官町というエリアは、若い方がお店を開いており、雑貨屋や、カフェ、アイリッシュパブなどがあります。
城下町エリアの反対側には、開発されたエリアがあり、田舎館村、平川市、黒石市に近い地域になります。よく地方で見られる、ホームセンターやスーパー、全国チェーン店が並んでおり、休日になると近隣市町村や秋田県からもお客さんが来られます。
一歩街中を離れると、相馬地区、岩木地区、市の南側などは、りんご畑や田園風景が広がります。
どこにいっても岩木山が見え、広大な自然に囲まれているのがわかります。
直売所が各所に多くあり、新鮮な野菜や果物を買うことができ、観光農園もあるので、シーズンになれば果物の収穫体験などもでき、農村ならではの経験もできます。
都会と田舎の要素を得られ、住みやすいと感じている人が多くいると思います。
私自身もバランスのいい街だなと感じていて、これこそ弘前市の魅力であると思っています。
ここで、私が好きなものや場所をご紹介します!
岩木山
岩木山は癒しです!!!
女性の神様が祀られているそうで、
岩木山を横から見てみると、女性の顔に見えなくもないのです。
ちょっと疲れた時とか、ふとした時に岩木山を見に行きます。
見ていると、だんだん心が落ち着いてきて、心の癒しになっています。
そんな岩木山は、
津軽を象徴する山で、弘前だけでなく多くの地域の人々から愛されています。
旧暦8月1日には、五穀豊穣や家内安全を祈願する、
お山参詣という重要無形民俗文化財にも指定されているお祭りが行われます。
各地域から、岩木山に向かって歩き、「サイギ、サイギ~」という掛け声を響かせながら、山頂までを目指し、3日間かけて行われます。
また、春は、弘前公園のさくらまつり、夏になればねぷた祭り、冬は雪燈籠まつりなどなど、イベントがものすごく多い地域です。
弘前2年目ですが、いまだにいつどこで何があるのかを把握できていません。
様々なジャンルのイベントが行われるので、新しいものに触れる機会は多いなと感じています!
春
夏
秋
冬
マイナス?ポイント
来た当初に感じた、マイナスと捉えられそうなものをご紹介します。
①雪が降る。寒い。
⇒車の運転が怖い。冬タイヤ、ワイパーに変える、冬用のブーツを買うなど、
冬にかかるコストが意外とあります。雪国なのだから、仕方がないです。
②フジテレビが入らない。
⇒ 八戸や下北半島がある太平洋側地域ではフジテレビが入るのですが、津軽地域は、フジが入りません。月9が見られないのです。情報格差だー!と思っていましたが、今はネットで見られる時代なので、不便はしていません。それよりも、弘前に来てからテレビを見る頻度が少なくなりました。
③津軽弁が難しい。
⇒ 年配の方になると、何を話しているのか理解不能になることがあります。
分からない時は、「分からない」と伝えれば、標準語に直してくれます。(笑)
同世代の人達は、イントネーションは訛っていますが、年配の方に比べればそこまで強くないので、普通にコミュニケーション取れます。
先輩移住者はどんな仕事をしている?
県内の中でも、いち早く移住政策を取り組んだ弘前市ですが、
取り組む前から弘前にUIターンされた方々が多くいらっしゃいます。
起業された方、市内の企業に勤めている方、農業に携わっている方などなど様々です。
先輩移住者の体験談を、全国移住ナビ弘前市に掲載しています。
ぜひご覧ください。
(全国移住ナビ 弘前市https://www.iju-navi.soumu.go.jp/onl/aomori/hirosaki/)
7.空き家事情
弘前市の取組で、空き家・空き地バンク制度があります。
この制度を利用して、移住された方もいらっしゃいます。
物件との出会いは縁とタイミングだと思うので、弘前市に移住したくて、空き家を買いたい・借りたい方は、定期的にHPを見るといいかもしれません。
(空き家・空き地バンク制度http://www.city.hirosaki.aomori.jp/akiya-bank/akiya.html)
8.弘前市に来たらぜひ寄ってみてほしい場所
弘前公園(弘前城)
江戸時代からの現存天守12箇所のひとつ。東北では唯一で、国重要文化財に指定されています。
春は桜、秋は紅葉、冬は雪景色…と、風情溢れる場所です。
弘前城本丸の石垣修理に伴い、天守を約70m本丸の内側へと曳屋する工事を2015年に実施しました。現在、石垣修理の作業が行われています。石垣修理工事には約10年間を要し、曳屋した天守を元の位置に戻すまでにも5年以上かかると見込まれています。
天守閣と岩木山をバックに見られる景色は、あと3年ほどだそうです。
岩木山神社
青森県の一の宮様。岩木山をご神体とした神社で、パワースポットとしても認知度が高まり、春から秋にかけては観光客が多くいらっしゃいます。
手水舎がとても特徴的で、岩木山から流れてくる水がとてもきれいで、居心地の良い場所です。
手水舎 龍の口から水が出ています。苔がひげのように見えます。
持ち手が1mくらいある柄杓。
弘前と言えば…アップルパイ!
アップルパイを売っている、パン屋やお菓子屋さんが多数あります。
アップルパイガイドマップが発行されているので、遊びに来た際は是非これを片手に、
お気に入りのお店を探してみてはいかがでしょうか?
http://www.hirosaki-kanko.or.jp/web/edit.html?id=cat03_food09
HLS
コワーキングスペースや、イベント・セミナー会場としても使える、
Heart Lighting Station HIROSAKI (通称HLS)
移住者さんが管理運営されています。
ここで、移住者交流会を開催させてもらっています。
コラーニングスペースHLS
ほかにも移住者さんが経営しているお店や、ご紹介したいお店や場所があるのですが、きりがないので、実際に弘前に来ていただけたら、ご案内いたします!
他の市町村で羨ましいと思う地域はありますか?
青森県内で言うと、十和田市が羨ましいというか、好きです。
馬で開拓された地域で、市街地には馬の銅像があったり、郊外に行けば牧場が広がっており、津軽地域とはまた違う雰囲気があります。移住政策も力を入れており、十和田市も若い世代の方々が地域を盛り上げるために活動されています。
弘前は、岩木山や白神山地などの山々に囲まれた地域で、海がありません。
たまに海を見たくなって、1時間車を走らせて、鯵ヶ沢町や深浦町へ行ったりしています。
海が近くにある地域もいいなーと、羨ましくなるときがあります。
他にも、西日本地域や暖かい地域にも行ってみたいです。
気候や風土によって文化が大きく異なるので、その違いを自分の体で体感してみたいです。
移住を検討する人へメッセージ
高校3年生の時に、鰺ヶ沢産米のおにぎりと出会わなかったら、きっと今弘前市にいなかったと思います。きっかけはなんでもよくて、そこから地域の人達と繋がる事が出来たから、それが後押しとなって、弘前に来ようと思えました。
学生の時は、四季それぞれで津軽地域を訪れて、どういう雰囲気なのかを分かっていたので、雪は降るけど、私も暮らしていけるかなと思えたので、協力隊制度を活用して、弘前に来ることが出来ました。
人それぞれ、地域に合う、合わないがあると思います。弘前や青森県の津軽地域は、冬になれば必ず雪が降ります。実際に暮らしてみて、雪のある暮らしは、アパート暮らしでさえ少し大変だなと感じることもあります。そういう大変なことも受け入れられるか、楽しめるか、が求められると思います。
また、こだわりは大事だと思いますが、こだわり過ぎて「合わなかった」ということがないように、自分の心に、ゆとりを持つことが大事なのではないかと思います。
仕事は絶対これがしたいんだ!と思っていても、なかなか見つからない事の方が多いです。
弘前にも求人はあります。あるといっても、医療・介護福祉・製造・土建系の求人がとても多いです。自分のやりたいことがある人は、起業することも1つの選択肢かもしれません。
まずは何度か住みたいという地域を訪れて、どういう地域なのかを知り、どういう仕事や資源や課題があるのかを知る。そして、その地の人と繋がる。
そして、自分のやりたいことや、理想とする暮らしができるかを一度考えてから、移住してみてはいかがでしょうか。
晴れた冬の日は絶景です!
弘前市の協力隊制度について
弘前市は現在、市全域担当(本庁勤務)の協力隊(3人)、相馬地区協力隊(3人)、岩木地区協力隊(3人)の計9名で活動しています。
ミッション型か、フリーミッション型か
私は、市全域担当(本庁勤務)で移住コンシェルジュとしての業務をやりつつ、
地域活動として郷土料理の伝承活動に取り組むお母さん達と一緒に活動しています。
明確にこれをしてほしいというのは、コンシェルジュ業務以外では無いので、フリーミッション型に当てはまっているのではないかと思います。
他の二地区は、地域住民が協議会を開き、こんな人に来てもらいたい、こんなことをしてもらいたいと決めた上で募集をかけていますが、
協力隊の自主性に任せている部分もあるので、フリーミッションに近いのではないかと思います。
給与や活動費、副業について
給与は、額面で月16万6千円(所得税・雇用保険・厚生年金控除あり)。
活動費は、人件費・家賃補助分を除いた額になります。
年度初めに、どの項目にどれくらいの予算をつけたかを教えてくれ、
その都度必要なときに担当職員に、何に使いたいかを伝えています。
副業は、申請をすればできます。
私も副業申請をしています(副業というほどの稼ぎはありませんが。笑)。
勤務管理
私は、9時15分~17時までの勤務時間で、週5日出勤しています。
週35時間に収まるように、活動予定表にその日の勤務時間を記録し、超過した場合は時間調整というかたちでお休みをいただいています。
出勤時間はフレキシブルに対応してもらえます。
活動予定表は、月末に活動記録として提出します。
弘前市の協力隊制度のいいところ
弘前大学の教授、助教授が、協力隊のアドバイザー・コーディネーターとしていらっしゃいます。活動で悩みがあれば相談することができるので、とても心強いです。
活動に関しては、協力隊のやりたいことを尊重してくれます。
なので、不満はありません。
ダメなものはダメと言ってくれますし、自由に活動出来ていると感じています。
リンク
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