もくじ
四万十町を紹介する人
源氏名……じゃないや、通り名はたっちーです。
現在は四万十町の移住・定住促進のお役目を仰せつかっております。
ざっくり言うと、移住相談を受けたり、空き家の発掘・管理をしたりしています。
生まれは神奈川県川崎市、近場をウロウロ引っ越したのち、中学生の頃から横浜市へ。
面倒なので「横浜出身☆」と自称して、ハマっ子気取ってたりします(さ、詐称ではないよね)
学部を卒業し、入社したIT企業では情報セキュリティ対策なるものを担当し文系なのにあまりの畑違いっぷりで周囲も自分も笑う状況でありましたが、何を思ったか辞めて大学院へ進学します。
そこで日本語教育の研究をしながら、日本語学校などで教師をしておりました。
履歴書上、厳密に言うと前職は”コンサルタント会社のアナリスト”になるけれど、実はその会社にいたのは半年ぐらい、こちらも面倒なので「元日本語教師です」と自称しています。
MEはどうして四万十町へ?
全国各地、地域おこし協力隊は数多おりますが、移住して最も頻繁に聞かれる質問No.1はこれですね。
質問する側としては、何かしらドラマティックな経緯を期待してるのだろう、とは鈍感な自分でもさすがに気づいています。
が、こちらの答えは「えーと、たまたまです」。 すいません、だって正直なんだもん。
①”高知旅”が”高知暮らし”を考えるきっかけに
ここで5年くらいは頑張ろう! と入社した前述のコンサル会社でゴタゴタがあり、あっちゅう間に辞めることになったため、転職活動を余儀なくされます。
最終出社から書類上の在籍終了までは時間的に余裕があったので、母の田舎である鹿児島へ墓参り、の名目で西日本へとふらり一人旅へ。
学生時代に旅行で訪れていたく気に入り、絶対に再訪しようと強く思い続けていた高知へと向かう夜行バスの中で、「地方で働く」手段のひとつとして「地域おこし協力隊」なるものがあると知ります。
逆に言えば、それまで協力隊の制度自体ろくに知らなかったんですよね。 「ボンビーガール」も「遅咲きのヒマワリ」も見てなかったもんだから。
で、引き続き横浜/東京にいるのも悪くないけれど、「人生で一度くらい、地方で働いてもいいんじゃない?」とその時パッと頭に思い浮かんだわけです(まぁ、魔がさした、みたいなものでしょう)。
②圧倒的なスピード感の「協力隊採用戦略」
夜行バスを降りるなり、鹿児島・高知の協力隊募集をババっと調べ、特別なスキル・キャリアがなくてもチャレンジできそうな地域・ミッションを洗い出します。
書類を送っても「実はもう締め切りました」なんて返事が来たらまどろっこしいってんで、まずは今の応募状況を聞くべく鹿児島のある町へ電話すると「今、担当者がいないから週明けにまたかけて」と言われます。
ええ? じゃ、まぁ良いや、次。
ほんでターゲットとなったのが、四万十川が流れてるんでしょう、ぐらいの知識しかなかった四万十町で、「書類は後からでもかまん、まずはメールでもいいからとにかく応募してみて」と打って変わってスピード感のある対応ではありませんか。
これが短気な自分の性格に合っていたや否や、1週間弱の旅から帰宅するなり、応募書類をメールし、質の悪いプリンタで刷り出した履歴書を送付。
すると次の週には面接で(実はこの時まで四万十川さえ見たことはなかったのですが)、帰るなり「来月から来れる?」との電話をもらいます。
そら行けますよ、だって今月から無職だもん☆
確かに、行き当たりばったりの人生を歩んできましたが、協力隊制度を知ってから実際に引っ越すまでわずか1ヶ月なんていう人は、まぁ稀でしょう。
「縁」というと聞こえは良いけれど、生きていると何があるかわからんよ、の極みかもしれません。
四万十町ってどんなまち?
四万十町(高岡郡)は高知県の中西部に位置し、東は太平洋、西は愛媛県に接しています。
まちに名を冠する四万十川の中流域で、県下最大642㎢の面積をもつ……というのも、平成18年に旧窪川町(高岡郡)と大正町・十和村(幡多郡)が合併してできたからなのねん。
ちなみに642なんて言われてもいまいちピンと来ていないあなた、東京23区より若干大きいです。
でかぁ!
にもかかわらず、人口は約17000人。
私の実家がある横浜南部の某町1・2・3丁目の人口を足したぐらいで、ちなみにその地域がまるっとひとつの団地の中に収まってます。どんだけでしょう。
そもそも高知県自体、もともと住んでた横浜市の人口の5分の1強だと思うと、そりゃあ夜間に出くわすのは人より獣が多いわ。
アクセス
町の中心部かつ玄関口となる窪川のまちは、高知駅から特急でも高速でも1時間ぐらいで、高知龍馬空港だと1時間半は見ておきたいかな。
あれ? これ、それこそ自分の実家近くの駅から東京都心ぐらいまでかな。
産業
主要産業はとにかく農業!
四国ってあまり”米”のイメージがなかったのですが(うどん県の印象が強すぎるせい?)、四万十町は米どころ。
気温差の大きい台地の特性を生かして育てられる、通称”仁井田米”は、全国コンテストで金賞をとるほどの品質です。 ただし、県外にはあまり出回っていないのが歯がゆいところ。
そして生姜の生産量も日本一! 秋の収穫シーズンは、みんなこぞって掘り掘りしているし、その他ニラ、ミョウガ、しいたけ、栗、トマト、ブルーベリーなんかが有名どころ。
忘れちゃいけない清流・四万十川の恵みは、鮎・ウナギ・ツガニなぞなぞありますし、美味しいお米を食べて育った米豚、牛、鶏、その卵なんかも……って町内の食材だけでフルコースが作れちゃう、食の宝庫でありんす。
文化
その他、土佐と幡多のことば/文化がちょうど混ざり合うところ。
高知はかつて、東の土佐、西の幡多とで別々の文化圏だったこともあり、「高知の方言」といっても東西でかなり異なります。
前述の通り、合併する前の旧窪川町は東側(高岡郡)、大正町・十和村は西側(幡多郡)でしたから、人柄やことば、食習慣なんかも地域で個性がバラバラ。
私のような「ソト」の人間は、その違いを楽しむのも良いですよ。
私にとっての四万十町の魅力って?
絶妙な田舎感
ぶっちゃけ、ド田舎過ぎず、かといって当然都市でもない、何とも”ちょうど良い田舎”なのです。
(もっとも、あくまで私目線で、かつ私の主な行動範囲についてであって、町内には秘境感たっぷりの”THE☆山奥”な地域もゴロゴロあるのですが。)
県内一のお街(おまち、と市街地のことを指していいます)である高知市からのアクセスに1時間かかっても、町内にはホームセンター3軒、ドラッグストア2軒、スーパー6軒(ひょっとすると漏れがあるかも)、コンビニ4軒があり、日々のあれこれはほとんどまちの中で事足ります。
車30分弱で、TSUTAYAや家電量販店もありますし(隣の隣まち)、地元のケーブルテレビさんが頑張ってることもあってネット環境も良好です。
電波はちょくちょく入らなくなるけれど、docomoユーザーとしてはあまり困ったことはありません。
横浜から移住してきた、と地元の方に話すと、「こんな田舎でびっくりしたろ!?」とよく言われます。
が、思っていたほどではない、というのが正直なところ。
私のイメージしていた「田舎」とは、子どもの頃に何度か帰省した鹿児島の山奥で、小さな商店はあってもスーパーへ行くには1日1本レベルのバスに乗り、帰りは2時間近く歩いて帰るような土地でしたから。
そりゃ、今でこそ”車”という重要なアイテムを手にしている違いは大きいけれど、まちを出なくても生活が成り立つようなレベルなら、なんちゃあないのです。
27年間、田舎には長くて1週間程度しか滞在した経験のなかった(自称するのもイヤらしいけれど)都会育ちでも、あまり身構えずに”暮らし”を始められる場所です。
なんでもできる
何と言っても、日本最後の清流と名高い大河・四万十川をまちの中央に抱いていて、「四万十町」と名乗るのに一切の後ろめたさもない、四万十のド真ん中であります。
(ちなみに、お隣に「四万十市」(旧中村市・西土佐村)なるものがあり、ニュースでもよく間違えられるややこしい状況なれど、それは平成の大合併時にゴタゴタあったせいだとか)
で、全国一の森林率を誇る高知県らしく、河のすぐそばに山が迫っているのですが、一方で窪川のあたりには高南台地と呼ばれる平地もあるし、雄大な太平洋にも面していて……
つまり、”田舎暮らし”に期待されるアクティビティとかアクティビティの大方が町内でまかなえてしまうということです。
例えば私の場合、高校の研修旅行(農家民宿)ぐらいでしか経験のなかった、田んぼや畑での農作業。
作業着に深靴(こちらでは、長靴とはあまり言わない)で終日、土にまみれつつ黒焦げになる、トラクターや田植え機、稲刈り機を運転する、ご褒美(?)に色々な野菜や果物、お米をいただく、だとか……ああ、田舎に来たぁ! と実感できますよね。
今まで、葉っぱや生え方すら知らなかった生姜だって、収穫のお手伝いができたり、ブルーベリー狩りも楽しめたり。
他方、新たに初めてハマったことの一つは釣り。
岸でグレ、砂浜でキス、岩場で貝類(釣ってない)、船でタイにイカ、河で川魚、なんかは町内でできますし、ちょっと出かければ堤防でアジ、河口でエビ、沿岸で剣先や紋甲イカ、なんかも釣れちゃう。
そして上記2点からお察しの通り、ゆえに四季折々、あらゆる味覚が楽しめます。
その他(私はあまりご縁がないですが)カヌーやラフティングといった川のレジャー、SUPやサーフィンといった海のレジャー、トレッキングやトレイルランニングといった山のレジャー、そして春と秋は四万十川沿いを走るマラソンやサイクルイベントなども充実しています。
これも川だけでなくて、山あり、海あり、だからこそできることでしょう。
四万十町で、暮らしたからこそわかるマイナスポイント
病院が少ない
いくつかの科を要する総合病院は窪川に2軒あるけれど、必ずしも毎日担当医がいるわけではないし、大抵いつもどの科も混雑しています。
その他個人医院、また診療所は大正・十和に一軒ずつありますが、専門的な治療や手術となると対応できません(その代わり、ドクターヘリの発着場は構えてあります)。
また、産婦人科と小児科もないので、いざ出産や子ども専門で診てもらうとなれば、町外へ出る必要があります。
子育て世代や、結婚・出産を考える移住者にとっては重要なポイントなのですが……。
車、免許がないと、生活はとにかく仕事はキツイ
この点は大体どこの地方でも、ちょっと山間部に入れば共通するところでしょう。
とはいえ、四国の中でも高知は際立って「ヘチ(僻地)」で、鉄道はじめ公共交通に頼ることはオススメできません。
町内でも街中に家も職場もあるならば何とかならぬこともないけれど、それでも運転が必要とされる仕事も少なくないし、いざ家族の誰かを病院へ連れていきたい……となれば自転車だけだとキツイでしょうし、タクシーだって都会のようにはつかまりません(ちなみに大正にはタクシーがそもそもない)。
私なんかは教習車以外のハンドルを握ったことのないペーパードライバーで、案の定トラブルばっかり起こしています……(未だに怪我をしてないのが不思議なくらい)。
うちの町の先輩移住者とシゴト
協力隊
まず協力隊に限っていえば、地元企業に就職する人の割合が多く、あとは地元の方と結婚する人、起業する人がちらほら。
企業は、ふるさと納税の返礼品のとりまとめをしたり特産品を販売する会社や畜産含む農業法人、薬剤師の資格を生かしての薬局など。
起業だと、ピザ職人だった経験を生かして揚げピザを販売するキッチンカーを走らせている人も。
今年度卒業予定を含む現役隊員だと、ゲストハウスや農家開業に加え、移動動物園、鍛冶屋さんなど変わり種(!?)で起業を目指す人も多し。
起業
起業支援の面では、『産業競争力強化法』に基づく町の創業支援計画が平成28年に策定され、一定の要件を満たした人の起業・創業に国の補助金、融資制度が利用できるようになりました。詳細はこちら。
また協力隊の場合、申請の日から1年以内に町内で起業するならば最大100万円の補助金を受け取れます(諸条件あり)。詳細はこちら。
商工会が中心となり、チャレンジショップ制度や創業を考える人向けの各種セミナー・ワークショップも多数開催されていますし、今年からビジネスコンテストも始まっていますから、地方での起業を目指す方にとってはなかなかアツいですよ、四万十。
なお業種の面でいうと、近年は飲食店が比較的増加傾向にあるそう(といっても、昔を知らないのであくまで地元の方のお話)。
やはり、四万十川を有する自然の中で、地元の食材を生かした料理を出したい……と考える方が多いのでしょう。
また最近の流れでは、ゲストハウスがぽつぽつと増えてきています。
素敵な農家民宿やオートキャンプ場、温泉もあるのですが、やはりハイシーズンとなる夏場や全国からお客さんの来るイベント(マラソンなど)時は宿が不足傾向にあるからでしょうね。
農業
一方、就農面でも、新規就農にかかる研修や助成金、青壮年就農給付金、農業後継者支援給付金といった各種助成や、農地付き賃貸住宅や県の農業担い手育成センターでの研修も充実しています。さすが農業のまち、四万十といえますな。
四万十町の空き家って……
バンクぅ!
ありますよ、空き家バンク! (というか、私もこの担当なのですが)
借りたい、買いたいという方は、まず移住相談員にご連絡いただければ、ヒアリングを元に物件、あるいは不動産屋のご紹介をします。
お目当ての物件が見つかれば、担当者家主と協議し、交渉の意思が確認できればお引き合わせする流れです。
住宅支援制度も各種あって、若者定住促進(40歳以下)や家族同居支援、空き家改修の助成金や、移住促進の家賃補助など。
補助金
また、移住・定住促進を目的とした以下のような物件もあります。
・移住支援住宅: 元県の職員住宅を借り上げ低価格で貸し出し
・中間管理住宅:空き家を町が借り上げ、改修して賃貸
・お試し滞在住宅;1万円/月~から最長3ヶ月住むことのできる、家具家電付きの物件(レオパレス的なあれです)
四万十町来たら、ぜひ寄ってって!
ええええええと、困ります!!!!
なぜって、だってオススメポイント多すぎなんですもん、挙げようとしたらキリがないわ。
やっぱり川よ
それでもどうしても絞れと言われたら……むむむ、ここは協力隊1年目にお世話になった大正地域からいきましょうか。
まずは自然でいうと、大正は中津川集落。
正しい表現かどうかわからないのだけど、”全日本人が想像しやすい里山”で、山あり、四万十川の支流あり、田んぼあり、いい具合に家があり。
そして集落からすぐの”久木の森山風景林”と呼ばれる河原は、水も景色も抜群に美しいのだけれど、穴場的スポットでそんなに人がいないのです。
キャンプで独り占めも夢ではなく、とても贅沢に四万十の自然を満喫できるところです。
お母ちゃんの味
お店の面では……お店の少ない大正ですが、酒蔵・無手無冠さんの運営する世にも珍しい「焼酎銀行」(お金ではなく焼酎を預ける!)だったり、うなぎの石焼混ぜごはんが名物の道の駅なんかもあります。
けれど、個人的に一番お世話になっているのは、私が大正のおかあちゃんと慕う名物女将が切り盛りする「須藤鮮魚店」さんでありましょう。
素材にこだわり、とにかくアイデアや創意工夫のレベルが並大抵ではないハイパー女将が作るお惣菜はどれも絶品。
2階の座敷では宴会、またお弁当などの仕出しもOKで、予算や内容などをヒアリングした上でお客さんの要望を先回りするような細かなサービスに定評があります。
何より、パワフルな女将と一度話してみていただきたい! 元気もらえまっせ。
他のまちで、羨ましいのって
(こういっては元も子もないですが)四万十町、というか高知県民としては、やはり首都圏からのアクセスが良いところって強いよなぁと感じます。
高知~羽田/大阪の飛行機はあれど、空港は県の東にありますし、鉄道であったら乗り継ぎ含め半日はかかるし、車だって時間くいます。
関西圏ならまだしも、関東に実家がある場合、直線距離以上に移動にかかる時間とコストが大きいため、やはり本州や新幹線沿いの地域なんかは良いなぁと思わずにはいられません。
仕事の面でも、プライベート(例えば友人の結婚式)でも、東京へ行く機会は多いのですが、やっぱり結構疲れます。
そしてもう一点、さらに個人的な理由ですが、球場に近いところが羨ましい……!!!
というのも、横浜出身のくせにカープファンであり、移住前は東京ドーム・神宮球場・横浜スタジアムは毎月通っていましたし、年に何度かは広島のマツダスタジアムも新幹線でサクッと行っていたからです。
ところが今はどうでしょう、そもそも四国にプロ野球の球団ないやんけ……。
(むろん四国独立リーグをバカにするわけではありませんが、野球ファンである前にカープファンですからね。)
高知は直線距離でこそ広島に近づいたけれど、決してアクセスしやすいところとは言えないですし。
そもそも、「高知に引っ越す」と言った時、「え、広島じゃないの?」と多く聞かれたぐらいです。 うう。
移住を検討するアナタへ
海がいいかな、山かな、川かな、と自然環境の面で迷っておられるなら、このまちはギュッと全部が詰まっていて、欲張りに楽しめるところです。
ただし先も述べた通り、よくも悪くも、ここは程よい田舎です。
(少なくとも協力隊に限っては)テレビで演出されているような、ボロボロの古民家をDIYして、自分の食べるものを作って穫って……みたいなのを想像されている方は、ちょっと違うと感じるかもしれません。
また、移住者も少なくないので、受け入れる土壌は比較的あると言われています。
私としては、それはメリットだと感じますが、「もうまるっきり移住第1号として乗り込みたいんや!」という方の開拓欲は、もしかすると満たせないかもしれないし、それこそ広いまちなので地区によっても雰囲気は大きく違います。
ついでだから、PRさせてや
地方移住を考える人のためのポータルサイト「田舎の暮らし方」に、移住ブログを更新しております。
https://inaka.arukikata.com/kochi/shimanto/
一応、「元日本語教師」という肩書きに引っ掛けて、高知の方言を一記事に一つ取り上げて紹介する形式をとっています。 いつネタ切れになるか心配なれど。
当初は、あくまで個人の活動記録として始めたのですが、いつしか「仕事にして良いから書いてちょ」と言われ、四万十町の先輩移住者として(という体で)執筆するようになりました。
しかも何を思ったか、着任以来毎日更新を続けてしまっているせいで、旅行・出張中やへべれけで帰った夜中、うたた寝からファッ!?と跳ね起きてPCに向かう晩もしばしば。
意地だか惰性だか、別に誰にやれと言われているわけではないんですけれども……。
また、教育分野で何かやりたい! ということで、町内二つの県立高校を軸にした対話の場作りを行っています。
この取り組みが認められて、最近は明治大学のサービス創新研究所の研究員にもなりました。
それはさておき、四万十町の協力隊制度って結局どうなん?
ミッション型
ミッション型です、が、「一応」が正確なところかもしれません。というのも、人によってバラバラだから。
例えば「鍛冶屋や炭焼き職人の見習い」や「町営塾の講師」「青少年サッカーの指導」、栗などの「一次産業従事」といった、初めからやることがガッツリ定まったポジションもあれば、「○○地域担当」のように主な活動地域が決められ、そこを軸に好きに動けるポジションもあります。
また、地域外のことでも、やりたいこと・できること・すべきことに必然性が認められれば自由な挑戦も許されています。
私だって、元々は「大正中心部(商店街)の活性化」がミッションでしたが、勝手に「教育」「子ども」というテーマを設けて窪川にもしょっちゅう出没しておりました。
給与・活動費
額面では16.6万円/月、ただし家賃は無償です(家は役場が手配します)。 とりわけ窪川は、比較的家賃が高いと言われる地域なので、家賃なしはありがたいところ。
また、活動費の200万円の使い方についてもかなり自由なほう(他の自治体の話を聞く限り)で、年初や補正の時期には個人の希望をもとに役場の担当者と相談して決めていきます。
ウロウロしたがりの私なんかは、町外・県外で気になる研修が多いのですが、サクッと行かせてもらっています。
勤怠管理
役場の嘱託職員になるので、基本的には正職員さんと同様にタイムカードで管理されます。
ただしこれもポジションによるところがあり、今の私の場合は役場のカレンダーに近く8時半~17時15分が提示で、土日+平日どこかが休みです。でも、土日は基本出勤だったり、昼から夜にかけて出勤という人もいるので、まちまち。
例えば一次産業であれば、カレンダー関係なく繁忙期はとことん働きますよね。
要は、月の終わりに、活動時間がトータル124時間になっていればOKなので、適宜調整してねと個人に任せられているところが大きいです。
また、副業OK! 本業(協力隊としての活動)に支障がなければ、大抵何しても怒られませんYO!
うちの協力隊制度、ここがえい
人が多い
とにかく先輩、現役隊員の数が多いこと。そして先輩方が丁寧かつ真摯に仕事をし、地域の方々と関係を築いてきたという実績があります。
そのおかげで、協力隊制度に対する町民の認知と信用が高く、「協力隊です」といえば「あ~○○さんと同じやつね!」と話がサクッと通るので、新しいところでも非常に入りやすくなっています。
また、色々なバックグラウンドを持ち、またやり隊ことがバラバラな人が集まっていることもあり、役場の担当者にもかなり自由にやらせてもらうことができます。
うちの協力隊制度、ここがちょっと……
人が多い(再掲)
これはメリットの表と裏ともいえますが、人数が多すぎるところでしょうか。
現役隊員だけで20名を超える自治体というのは全国でも稀有ですが、役場側も協力隊マネジメント業務だけを担う職員はおりませんから、なかなか一人一人にケアが行き届かないこともあります。
それは隊員同士にもいえることで、全員で集まる機会は年に1・2度あるかないかですし、誰が今何をやっているかも判然としないことも多い。
そういう意味では、良くも悪くも監視の目が甘いので、しっかり自分で「何をしたいか/すべきか」を意識して行動しないと、タダのダメ人間になれてしまう条件が完備されているのです。
さあさあ、ここまで大変長々、つらつらと綴ってまいりましたが(全部読破した方がいたら心から讃えたいわ)……
どんなにことばをつくしても、写真をたくさん盛り込んでも(あまり綺麗なの撮れてないけれど)、伝わらないことが沢山あります。
それはきっと、どこの土地でも同じはずですが、ぜひ一度足を運んで、あなたの目で、耳で、舌で、肌で、心で感じてみないとわからない「何か」。
一度、遊びにおいでまし。
移住するか、しないかなんて、そっからゆるゆる考えたらよろし。
ご縁があれば嬉しいな、とお待ちしております!
もっと詳しい話を聞いてみたい! という方、お気軽にfacebookへメッセージか、役場へご連絡をくださいな。
しあわせしまんとせいかつ https://www.facebook.com/shimantotown/
四万十町地域おこし協力隊(窪川)https://www.facebook.com/chiikiokoshi/
四万十町役場 にぎわい創出課(移住・定住グループ)
0880-22-3281 または iju-40010@town.shimanto.lg.jp